キャリア形成

Part2:大学/個人事業編「イノベーターのDNA」を読んで人生が変わる

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Part2:大学/個人事業編

「イノベーターのDNA」を読んで人生が変わる

――ある論文を読んでから佐藤さんの道が開けたそうですね。

転機は大学2年の5月頃、「イノベーターのDNA」という論文を読み、衝撃を受けました。それはハーバード大学がスティーブ・ジョブス、孫正義、ラリー・ペイジなどの起業家の成功の秘訣を研究したものでした。彼らの成功には30%の遺伝子的要因と70%の環境的要因があると書いてありました。たとえ憧れていた偉人であっても、成功に関係する先天的要因は30%だけだということに驚きました。遺伝子的要因の30%は仕方ないとしても、残り後天的要因である70%の環境を100%の状態にすれば70%の確率で偉人になれるのではないかと思いました。

論文をきっかけに、社会に大きく貢献した人々の伝記を数十冊読みました。するとここ半世紀で社会に大きく貢献した人達は20代に時代の最先端の産業で起業をしていることに気づきました。当時(2010年)はiPhone3G発売直後でスマートフォンは全く普及していませんでした。クラスでも僕しか持っていなかったため、あだ名が「iPhone」になるくらいに(笑)。しかし、私はスマートフォンが中心のIT社会が2、3年で来る事を予期し、時代の最先端であるスマートフォンアプリでならば成功できるのではないかと思いました。iPhoneアプリを始め、在学中に3つの個人事業に携わることになりました。1つ目の個人事業は美人時計のミスキャンパス版「ミスコン時計」を立ち上げようとしました。

 

――iPhoneアプリの中でもミスコン時計の事業をやろうと思われた理由はなんだったのですか?

 

理由は 3つあります。1つはキラーコンテンツの調達があります。スマートフォンのアプリケーションで、マネタイズしやすくストアの売上の大半を占めるのがコンテンツ・ビジネスでした。今もストアの売上の大半がゲームや音楽などのコンテンツですよね。ただ単につまらないアプリを作っても流行らない。大きく儲けるには、キラーコンテンツの調達が必須だと考えました。スマートフォンというデバイスの特性をうまく生かしたキラーコンテンツってなんだろう。世代に関係なく、訴求力が強いコンテンツは何かというところを考え、思いついたのは大学のミスコンテストでした。大学のミスコンテストは必ずニュースになるし、話題性もあるので大学のミスコンテストをコンテンツにしようと考えました。

 

2つ目は市場規模とニーズの大きさです。当時、美人時計というアプリがあり、美人時計はアプリの上位5位以内をキープしておりました。そのアプリは数億〜数十億の売上を立てていると試算しており、美人時計の市場規模は大きいと思いました。出てくる女性が一般の方ばかりで質はあまり高くないとネット上や友人の口コミを見聞きしてましたが一方で、大学のミスコンテストという話題性もあり、女子大生ブランドがあれば、美人時計の市場をある程度リプレイすることができるだろうと考えました。

 

3つ目は広告、プロモーションの観点です。アプリはただ単に作るだけでは意味がなくて、作った後に広告、プロモーションをしなければいけない、多くの人に知ってもらって使ってもらわなければいけない。しかし、広告費はあまりかけたくないしかける資金もない。というところでリアルイベントと混ぜてできたらいいなと思いました。今で言うO2Oです。ミスコンだとちょうど文化祭やそれ以外でも大体的にPRできるので、そこのPRとうまく一緒にやれるといいなと。文化祭や大学祭は都内で色々あるんですけど、30大学くらい合わせると参加者がおよそ100万人なんです。その100万人の大学生、参加者にアプローチできて、その100万人が学祭後にインフルエンサーになってくれたらかなり強い、PRになるなと。そうすればアップルストアのランキング上位になれるだろうと考えていました。3000万円相当に及ぶ広告宣伝費を確保しながらも、結果としては納期の問題、メンバーの問題などを起こしてしまい失敗してしまいました。

 

 

 

――2つ目、3つ目の個人事業はどうだったのですか?

 

2つ目の個人事業は先輩が始めたスタディツアーの旅行代理店の事業を手伝う事になりました。自分が中心となってやろうとして1回失敗したから、次は自分でやるよりもまずは人の元で学ぼうと考え、手伝わせて頂きましたがこちらも失敗してしまいました。まず人を巻き込むよりも、自分1人で業務を完結し、そして、ある程度大きくなったら人に協力してもらうというスモールスタートの大切さを学びました。3つ目の個人事業はソーシャルメディアの運用代行サービスを行っておりました。Facebookは週間アクセス数においてGoogleを抜き、世界の若者の96%はソーシャルネットワークに参加し、ソーシャルメディアはインターネットNo,1の活動になりました。ソーシャルメディアが台頭するまで、インターネット上で情報を探すとなるとGoogle一択でしたが、アメリカでGoogleの閲覧数よりもFacebookの閲覧数が多くなる逆転現象が起こりました。企業はGoogleのSEO対策と同時にソーシャル対策が必要になる機運が高まりました。そこで、海外の運用事例を元にPDCAを回しノウハウを蓄積しました。実際にクライアント何社を担当し、ソーシャルメディアの運用代行をさせて頂きました。1番成果が出たFacebookページはユーザー数は導入前の100倍、オーガニックで月間100万インプレッション(表示数)を達成し、数十万ある国内Facebookページの中で30位以内のアクティブユーザー数を獲得しました。運用していたページは当時、TOYOTAやユニクロといったような大企業が運営するページよりも多くの反響がありました。

 

 

――うまくいっていた中でなぜこの事業をやめようと思われたのでしょうか?

 

やめようと思ったのには4つ理由があります。1つはソーシャルメディアの勢いが予想していた以上に世の中へのインパクトが小さかったこと。ソーシャルメディア中心のマーケティングからSEO中心のコンテンツマーケティングへとインターネットマーケティングの軸足が直ぐに移ってしまいました。

 

2つはソーシャルメディアはノウハウの横展開が難しかった事です。SEO対策と異なり、1番成果を出したページのノウハウを他のページでも導入したのですが、上手く行かない場合が多かったです。

 

3つはインターネットの世界は非常に栄枯盛衰が激しく事業継続が厳しいと感じました。例えばソーシャルメディアやマーケティングの知識/ノウハウは1度学んだとしてもそれがテクノロジーの進歩により、一瞬にして破壊される。根底となる基本的な概念は変わりませんが、手法が大きく変わってしまうことがありました。つまり、誰でも成り上がりやすい反面その分落ちやすい、栄枯盛衰の業界だと感じました。

 

4つはGoogleやFacebookなどのプラットフォーマーに勝てないという事実です。様々なビジネスを考えましたが、どうしても彼らの代理店となってしまいます。そんな事を考えているとちょうど就職活動の時期になりました。就職をする予定はなかったのですが、3度やって上手く行かなかったので一度社会でしっかり学ぼうと思い就職をしようと方向転換しました。

 

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